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ベトナムから内視鏡を大量受注 オールジャパンで医療輸出

記事の概要

富士フィルムがベトナムの主要約10病院に内視鏡を納入することがほぼ確実となった。受注金額は2億円台で、記録用フィルムなど消耗品でも年2千万円以上の売り上げが見込まれる。

経済産業省は昨年8月に、医療機器事業を手掛ける同社や日立メディコ、名古屋大学などからなる官民合同チームをベトナムに派遣したり、現地の医療関係者を集めたセミナーを開くなど、日本製医療機器の売り込みを図っていた。

政府は2020年に医療技術・サービスの世界市場で1兆5千億円を獲得する目標を掲げている。

元の記事を読む→ 【2014年01月05日:産経新聞

消費者向け商品から手を引こう

官民合同で医療機器のセールスを行い、ベトナムで納入をゲットしたという話です。こっちの方向性のほうが絶対良いです。断言します!

このところ日本のメディアでは、日本企業の海外での競争力低下が話題に上ることが多いです。しかし、そういった報道で槍玉に挙げられるのは、携帯電話とかテレビ、パソコン、各種家電製品などです。

つまり、一般消費者向けの製品で日本が競争力を失っているということです。これって当たり前です。家電製品とか完全にコモディティ化しており、いまさら高機能で差別化のしようがありません。携帯やテレビも同様です。

では何で差別化するか?値段しかないですよね。メーカーの人は嫌がるでしょうけど、一般消費者向け商品は必ず価格競争に引きずり込まれるわけです。だからそういった商品を扱う以上、メーカーはコスト競争をするしかありません。

事実日本だって、そうやってコスト競争をしたテレビを輸出して、アメリカ市場をアメリカのメーカーから奪ってきたわけです。日本のメーカーのコスト削減が限界に達した以上、韓国に負け、台湾に負け、いずれ中国メーカーに負けることになるのは必然です。

値下げ合戦で勝てなくなった我が日本が、いつまでも一般消費者向け商品の市場にしがみつく必要はありません。ムダに血を流すだけです。無理してテレビや冷蔵庫を作るのはもうやめましょう。儲からない商品は中韓にやらせておけば良いじゃないですか。

本当のオールジャパンで世界で戦おう

一般消費者向けの価格競争商品は途上国に任せる。我々日本はそんなマーケットからはさっさと撤収する。では何を売るのかというと、値段ではなく技術で勝負できる商品です。

そしてそういった商品群ってたくさんあります。例えば建機。ショベルカーとか最近は韓国の現代のを見ることが増えてきましたが、やはりコマツと日立建機がなんだかんだ言っても強いです。IT製品の核となる部品とかもそうですよね。

要は、一般消費者ではなく法人相手。メーカーとか研究機関とか、そして今回の病院とか。そういったところならば値段だけで買い叩かれるようなことにはなりにくいですし、値段よりも品質や性能で勝負できる余地が大きいです。

ですので、今回の医療機器を海外の病院に売るというのは、これからの日本の戦うべき方向性という意味で絶対に間違ってないと思います。

ただそれを可能にするのは高い技術力があるからであり、その裏付けとして高い技術を持った人材を日本の教育の現場が継続的に生産できることが必要となります。

今回の記事では日本のメーカーと経済産業省が協力してオールジャパンでとありました。ですが今後を見据えた時には、教育が優秀な人材を生産し、企業がその人材を使って高い技術を生み出し、政府がバックアップして輸出する。教育も含めたオールジャパンが求められるのではないでしょうか。